西金沢駅から西へ1.5kmほど、新保本の住宅地のまんなかに、クリの巨木を円形に立て並べた環が復元された公園があります。国の史跡チカモリ遺跡です。
3000年ほど前の縄文人が、直径60cmを超える木を半分に割って、切断面を外に向けて円く立てた。何のために立てたのかは、いまも分かっていません。
住宅地のなかの国史跡
チカモリ遺跡は金沢市新保本5丁目にある、縄文時代後期から晩期にかけての集落跡です。1987年(昭和62年)2月23日に国の史跡に指定されました。
調査は1954年から数次にわたって行われ、大きな発見があったのは1980年(昭和55年)の発掘です。このとき、349点の木柱根が掘り出されました。
環状木柱列とは何か
見つかったのは、こんなものでした。
- 直径およそ60〜90cmのクリの巨木を、縦に半分に割る
- 割った切断面を外側に向ける
- それを直径およそ7mの円形に立て並べる
金沢市の説明では、この形の遺構が見つかったのは全国ではじめてのこととされています。
そして肝心のことが分かっていません。
この環状木柱列が何のために作られたのかについては、さまざまな意見があり、金沢市の解説でも「現在でも明らかになっていません」とされています。祭祀の場、建物の柱、記念物——どれも決め手を欠いたままです。
分からないものが、分からないまま復元されて立っている。そういう場所です。
柱根の実物は隣の収蔵庫で
復元された木柱列は公園で見られますが、掘り出された実物の柱根は、公園に隣接する金沢市埋蔵文化財収蔵庫(新保本5丁目48番地)に展示されています。
| 開館時間 | 午前9時30分〜午後4時30分 |
| 休館日 | 月曜日(祝日の場合はその次の平日)・年末年始 |
| 観覧料 | 入館無料 |
| 電話 | 076-240-2371 |
展示は1階がチカモリ遺跡の出土柱根と縄文時代の出土品、2階が弥生時代から江戸時代までの出土品です。柱根のうち57点は、1986年(昭和61年)3月22日に石川県の指定有形文化財になっています。
開館時間・休館日は変わることがあります。おでかけ前に金沢市の公式ページでご確認ください(この記事は2026年9月時点の調査に基づきます)。
御経塚遺跡と合わせて
西金沢のまわりには、もうひとつ大きな縄文遺跡があります。南隣、野々市市の御経塚遺跡です。
チカモリが駅の西、御経塚が駅の南。西金沢駅を起点にすると、どちらも自転車ならすぐの距離にあります。駅ができるより3000年ほど前から、このあたりには人が住んでいた、ということになります。